ハーレーの純利益、6.5%マイナス

苦境に立たされる老舗バイクメーカー

アメリカを代表するバイクメーカーとして有名なハーレーダビッドソンは、かつて不況知らずに優良企業とされていましたが、近年は他の企業と同様に困難な状況に立たされています。
世界的に不況の状態が続いている中、世界を代表するバイクメーカーも例外ではなく厳しい状況になっていることを示すように、2015年10月に発表された第3四半期の報告によると、ハーレーの純利益は6.5%マイナスという結果になっています。
この結果を受けて、250名のレイオフを行うとしています。

何度か苦境を乗り越えてきた企業

ハーレーは古参のバイクメーカーとして有名で、素晴らしい品質のバイクを開発してきたことで多くの人から支持されています。
かつては世界に名を轟かせるバイクメーカーとして君臨していましたが、日本メーカーの高品質なバイクが少しずつ認知されるようになってからハーレーの経営にも陰りが見えてきました。
日本メーカーに対抗するべく、アメリカの機械メーカーとして有名なAMFの傘下になった時代もありましたが、この頃はハーレーの品質が落ちたと言われるほど悪評が高まったのも事実です。

その後、AMFからの独立を果たし、昔のハーレーが戻ってきたのです。
この時の出来事はバイバックという言葉で現在でも語り継がれており、ハーレーの歴史に刻まれています。
バイバック以降はハーレー本来の高品質なバイクを生産できるようになったことでかつての人気を取り戻して上向きになってきましたが、アメリカ国内だけでなく世界全体が不況の状態が続いていることの影響を受けて不況知らずとされていたハーレーが全従業員の1割にあたる約1100人を解雇するという事態に発展しました。

2015年にもレイオフつまり一時解雇が行われることになったため、まだまだハーレーの苦難は改善されたとは言えません。
レイオフの実施や早期退職者を募ることで困難を乗り越えられるかは不確かですが、今までの困難を乗り越えてきた実績から今回も頑張ってくれるだろうと期待されています。

今後の展開

苦境に立たされているからといって、黙っているハーレーではありません。
レイオフなどを実施する一方で、マーケティングや製品開発にかける予算については増やす計画を立てています。
この結果、製品だけでなくハーレーというブランドを更に多くの人に認知してもらえるようにして新たな市場開拓やライダーの呼び込みに賭けています。
更に製品開発をスピードアップさせることで効率良く販路を拡大させることも期待されています。

ハーレーが掲げている目標が全て達成されるまでには簡単な道のりとは言えないかもしれませんが、かつての栄光を取り戻して再びアメリカを代表するバイクメーカーとして世界に誇れる時が来ることが期待されます。