車載式故障診断装置(OBD2)が義務化

OBD2が新たに追加

国土交通省では保安基準の一部改正を行いました。
その中でも注目されているのが、OBD2の存在です。
これは車載式故障診断装置と呼ばれるものです。

OBD2とは、排気ガスに関する診断装置です。
現在のオートバイには、排気ガスをそのまま大気に出すことなく浄化する装置が搭載されています。

ただしこの浄化装置も時間の経過とともに劣化する可能性があります。
もし劣化して、十分な浄化ができない場合にはOBD2が検出することになります。
またメーターの部分に警告灯がレイアウトされているので、浄化装置が機能不全に陥っていることをドライバーも直ちに把握できます。

世界的な流れで必要に

OBD2の設置義務が付け加えられたのは、世界的な潮流が大きく関係しています。
国連欧州経済委員会が主催する車両の基準調和をテーマにした世界フォーラムが開催されました。
その中で、検出すべき具体ていな項目などの議論がなされました。
排気ガスの発散防止装置に関連してOBD2の導入が提案されていました。

このように世界的な潮流の中で、排気ガスのクリーン化の徹底は世界的な課題になりつつあります。
そこで日本でも同じく排気ガスの規制や検出装置の導入が必要であると判断するに至りました。

OBD2導入義務化の概要について紹介

OBD2の導入ですが、一律で同じ条件にて行われるわけではありません。
車種によって義務あのスタートの時期が異なります。

新車については令和2年12月から義務化となります。
しかし既存の車種で継続生産車の場合、令和4年11月からの適用です。
2年間のモラトリアム期間が設けられたわけです。

二輪車の中でも義務化の対象外になる車種もあります。
それは総排気量50cc以下でなおかつ最高速度が時速50km以下の原付です。
この条件を満たす原付以外の車種については、時期に違いがあるものの設置義務があると考えましょう。

手数料についてもOBD2の設置義務によって見直されます。
OBD2の保安検査を受けるにあたって、27万円の手数料を納付しなければなりません。

エコ化が進むバイク業界

近年の保安基準の見直しを見てみると、環境に対してより厳しい基準で臨むという国の姿勢が見え隠れします。
OBD2の設置義務についてもその動きの一環です。

今後ますますこのような地球環境に配慮した施策が出される可能性もあります。
地球温暖化を防止するという意味でもエコに配慮したバイクの開発は大きなテーマになるでしょう。

またその中で50cc以下の原付は今後淘汰されるのではないかといわれています。
排気ガスの規制も厳しくなっているので、その基準をクリアするのが難しいと言われているからです。
バイクに関するトレンドも今後大きく変わってくるかもしれません。